題名が決まらないという話

題名が決まらない歌詞がある。

 

もうすこし この時に居残って
もうすこしだけ 今に近づけたらなって
言葉にすれば ほんの少しだけれど
考えてみると それはとても難しい
研ぎ澄まされた指先が
辿るは風をうける星空

光が目の前に広がる
何かが隠せば色失せる
それが私の過去を照らす
そして未来を託せる
そして自分を殺める

何もないようで
片付かない部屋に
暖かさと寒さを与え
それは愛というか
憎悪というかわからず
ただこの部屋にとどまることを選んだ
この社会がどうだこうだ文句ばかり言って
それがただの自己偏愛だというのは分かる
それを終わらせてこの場所で

光がぐらりと歪んでく
これからを想像した涙
今も自分をまだ捨てられない
愛されたいとまだ思う

光がどこにも見当たらない
どうすればいいのか分からない
結局この時に居残って
部屋でここを思い出す
そして未来を殺める

 

曲はもう5年ほど前から出来ていて、仮題は散花。

花が散るような綺麗で残酷な感じが無いため仮題は使えない。

 

趣旨としては自殺しようとして自殺しない人。なんとなく自殺を考えてるとなんか段々リアルな感じになってきてやっぱいいやってなる感じ。

結局なんやねんって行動をするから言葉がうまく嵌められないし、曲が全く遊んでなくてかなりストレートでカチッとしてるからふざけた歌詞にすると聞いてて題の割には遊ばなくて残念ってなりそう。

Opeth - Sorceress - Review

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手に入れたので早速聞きながらレビューいたす。

 

一曲目は悲しげなアコギのスタート。よくある始まり方であるが、なんだかいつもより哀愁感が漂う感じがする。

2~4曲目はすでに公開されているためよく知っているだろう。なんだか今までと違う感じとやたらと聞きやすい、Heritageからの系譜を引き継いだ感じだ。ソーサレスに関してはドロップAの7弦ギターを活用したリフがよい。シンプルさというものはいいものだ。

5曲目クリサレス、オーペスらしく3拍子の跳ねるようなリフが映える。デスボイスが全くないのは今に始まったことはない。曲展開はあげてあげて下げての感じ。プログレでよくある展開である。おそらくこのアルバムでプログレッシブロックを意識した曲といえそう。

6曲目ソーサレス2。アコギのアルペジオで終始する。ソーサレスからつなげて聴けるという感じではない。メロトロンが入ってプログレ感。マイケルもなんだか気怠い感じだ。結局メジャーで終わる、ソーサレスもCメジャーで大げさに終わらせておいてソーサレス2というのはなんだったんだろう。歌詞の問題だろうか。

7曲目ザ・セブンス・ソジャーン。アコギのリフ。インディアな怪しげメロディアス。前半はインストだが後半にピアノアルペジオとコーラスライクなボーカルが入る。

8曲目ストレンジブリュー。アルバム最長曲。前曲と引き継ぐような柔らかな展開だが、2分ごろから急転し15/8の強烈な展開を見せる。ミカエルのスローのシャウトに対しあわただしいバックリフ、しかしそれに合わせるようにギターがのちに泣いていく。展開美をなかなかにあわただしく顕してくれた、これは彼らの一つの成長といえる気がする。曲中にこういうのがなかなかなかったような気がするのだ。そしてせっかく暖めたのだからとここぞとスローになり、スローのまま展開していくのはやはりメタルたる所以か。長いだけあって作りこみのあるいい曲だった。

9曲目ア・フリーティング・グランス。前曲前半のような半音上げては下げのコード展開を受け継いだような、でもこれオーペスの癖展開だから偶然なのかもしれないが。キーボードがいい仕事をしていてやや新しさがある。そしてここにきてソーサレスの前半メロディのコードが入ってくる。これも癖でやったのかもしれなくて偶然かもしれないさりげなさ。解釈は聞き手がしてくれというかんじか。そしてラストにこれ見よがしにソーサレス後半のコードもちょいちょい混ぜてくる。

10曲目イラ。ピアノとエレピのアルペジオ。モノラルでミックスしているためなかなか不思議な響き。そして11/8のメジャーリフがくる。オーペスらしいなかなか鬼気迫るものを感じる。狂気のようなものをメジャーで表現できる天才ですなオーペス。ここにきてボーカルに物足りなさを感じる。そろそろ柔らかなクリーンボイスを乗り越えてほしいと思う。

11曲目ペルセフォネ(スライトリターン)。イラの前半アルペジオである。

12曲目ザ・ワード。エレピとギター、ベースアルペジオの構築的で扁平な雰囲気をうける大人な雰囲気。しかし扁平な展開にさせようとしたくない感じのミックスがなかなか。なかなか懐疑的なきもちになる。ここまでのアルバム展開でこの全く新しい雰囲気に変える必要があったのかと。

13曲目スプリング MCMLXXIV。MCMLXXIVは1974という意味である。ローマ数字は本当に読み辛い。アラビア数字が普及してよかった。メジャーの半音展開を若干ひねくれさせたような階段展開を見せる。後半はキーボードがなかなか前に出てくる。

 

先行公開のソーサレスにあるような7弦のヘビーリフというのはほかの曲には無い。オーペスがついにジェンティ!という期待は外れである。

あくまで彼らの標榜する「プログレッシブメタル」、すなわちプログレッシブロックを基調としたメタルとの融合という試験的作品としてはかなりいい熟し具合を醸している。

おそらくこの感じはもういいわwって思う人が多いのではないだろうか。オーペスもそれをわかってソーサレスやイラを作ったのかもしれない。

しかしだからと言って昔のプログレデスに戻そうとすると、ブラックウォーターパークやゴーストリヴァリーズやウォーターシェッドで完成されたものがすでにあるのに何をしろと?という感じになって表現をする立場としての制約が大きすぎるのであろう。

 

あくまでもプログレッシブ・メタルであり、Prog.メタルではないのである。自分もやや後者に期待していたが、予想が外れたとともにこの路線こそオーペスが目指している道だと再確認できた次第である。

つるかめ 本店 - 魚介醤油つけめん -

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寺町四条にあるラーメン屋。支店もいろいろある人気店だが今まで行ったことのなかったお店である。

 

麺は全粒粉が混ざっている模様がなかなか綺麗。しこしこ系の麺で鹹味より甘味がする。小麦独特の風味は少ない。

スープは関東の濃厚魚介の味がする。想像しやすい位ふつうの濃厚魚介つけ麺の味。まさにスタンダードマタオマ。

そして韓国海苔の風味が加わりより甘味とうまみが増す。いいトッピン具。

 

なんとも名状しがたき典型的マタオマ系なので特段書くことが見当たらない。しかし王道ゆえの安定したうまさがある。

わざわざ京都でつけ麺を食べるならここはお勧めできないが、京都からわざわざ東京へ行けない人はここで食べるといいというポジションか。

 

王道を地で行くつるかめのつけ麺。普通においしくいただけたのだが、卓上調味料ににんにく酢というものがあり、これをスープに2,3滴入れるとうまみが増すとPOPがついていたのだが入れるのを忘れてしまったのが心残り。

 

メニューはこれ以外にも味噌つけ麺と旨辛つけ麺というものがある。またここへ来れるような時間の有り余る日があれば挑戦してみたいと思う。

山崎麺二郎 - つけめん -

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嵯峨野線円町駅のすぐ近くにあるラーメン屋。名前に二郎が入ってるが真逆もいいところと言えるくらいである。京都には珍しいあっさりで有名なラーメンを武器にしていて、よく名前も聞いていたがなかなか行く機会のなかったお店である。

 

外観はかなり小さなお店。店外に10人ほど並んでいたので15分も待てば入れるだろうと思って並んだが、列は店内にまで及んでおり料理にありつけたのは30分ほど待たなければならなかった。ここまで並んで待ったのは初めての経験。

 

麺はテイガクのめんの様な小麦の味がしたが、やや鹹味が強くシコシコ系というよりもちもち系で色々と大勝軒の麺に似た印象の味である。熱が加わると歯切れが良くなる感じも似ている。同じ製麺所かリクエストして作ったのか、私には真意はわからない。

 

スープは鶏清湯と和風出汁と書いてあるが、もっと複雑な味がする。チャーシューを煮たカエシの味と焦がしネギの味、ものすごく微細であるが柑橘の香りもある。舌触りはオイリーでありまろやか。

 

麺とスープの絡みはあっさりスープにストレート麺なのでよく絡むとはいえないが、オイリーな分全然絡みがないというわけでない。絡みすぎず絡まなさすぎないよく練られたコンビネーションだ。

 

割りスープは何も言わなくても出してくれる。やや白濁した鶏白湯を使っている様に見えるスープ。あっさり系つけ麺の宿命か割っても鹹味がそこそこあり人によっては飲みにくいかもしれない。

 

ラーメン屋をめぐったことはないけどラーメンが好きだ、という人の大概はこってりに抵抗があると思う。ざんねんなことに京都は印象に反してこってりが多い。第一旭かいりきや、ますたに、天下一品など京都発のラーメンチェーンはトップメニューはあくまでもこってり系。一応あっさりだと新福菜館がある。天下一品のこってりが食えるか食えないかと言うのが境目になる事が多いが、この一線を越えておかないと楽しめないラーメン屋が京都には多いと言う事である。初めてチェーンでなく小さな個人が経営しているようなラーメン屋でラーメンを味わいたいと思うならここはかなりいい選択肢になるだろう。

 

今まであっさり系はどうしても味の複雑性に欠ける気がして敬遠していたが、ここは格別に思えた。非常に完成度の高いあっさりスープを味わえる貴重な存在と言える。とても満足した。