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Dream Theater - Falling Into Infinity

Musik

 

f:id:sohait000:20160226002736j:plain DreamTheaterのスタジオフルアルバム4作目である「Falling Into Infinity」について書きたい。

 このアルバムは彼らのキャリアの中ではそれほど評価の高くないアルバムとされることが多いが、個人的には一番好きなアルバムだ。このアルバムは「プログレッシブ・ロック」に近い性質をもちつつも、彼らが今まで積み上げた「プログレッシブ・メタル」を新しく開拓させた画期的なアルバムと考えている。

 

全体の流れとしては、

1曲目「New millennium」で彼らの当時の「プログレッシブ・メタル」をみせつけ、

2曲目「You Not Me」から5曲目「Burning My Soul」までは、他のアーティストにかなり影響を受けたであろう曲が続き、

6曲目「Hell's Kitchen」から7曲目「Lines in the Sand」まで一曲目のような「プログレッシブ・メタル」を提示し、

8曲目「Take Away My Pain」から9曲目「Just Let Me Breathe」は他のアーティストから影響を受けたであろう曲が続き、

10曲目「Anna Lee」でエモーショナルで流麗なバラードがあり、

11曲目「Trial of Tears」で13分に及ぶ美しく壮大な大作で締めくくられる。

 

 他のアーティストに影響を受けたであろう曲というのが多いことがわかると思うが、面白いことに、オリジナリティを感じてしまう曲ばかりである。ただし3曲目「Peruvian Skies」に限ってはメタリカリスペクトをかなり強く感じることができるだろう。

 


Dream Theater - Trial of Tears

  

 このアルバムを語る上で欠かせない要素は2つある。一つはメンバーが心傷にある状況にあったことだ。Wikipediaによると、

製作直前にバンド内でメンバーの子供の誕生や、身内の不幸が相次ぎ、その「感情のローラーコースター」(当時のメンバーの弁)が音楽性に影響を与えたと言われている作品(アルバムのライナーノーツより)。

 とある。彼らのすべてのアルバムと比べかなりエモーショナルなのだ。それがおそらく一番強く現れているのは11曲目「Trial of Tears」だろう。今までにないような即興性あふれるイントロやシンプルで力強いコーラス、それと対照的に暗く重いヴァースなど、感情表現が曲構成に強く現れている。

 

 ところで、コーラス、ヴァース、日本語で言うところのメロ、サビと言うのは多くの音楽鑑賞者にとってはあって当然という感覚を持っているのではなかろうか。私は中学生の時に自作したインストゥルメンタル曲を母親に聞かせた時「この曲にはサビがないんやな」と言われたことを覚えている。

 曲作りをしていてしばしば思うのは、感情的な表現をしたい時にメロ、サビを使った形式を使っているということだ。感情的な物事というのは、だいたい言いたいことが少ない。だからメロで状況説明をしてサビで言いたいことを言ってしまうという感じだ。

 でも感情を表さない曲というのはほとんどないがゆえに、やはりメロ、サビの形式が当たり前になってしまったのだろう。しかしこういうところをあえて無視していく姿勢があれば前衛的「プログレッシブ」要素といえよう。

 

 話がそれてしまったが、サビに値するメロディと言うのは単純明快なほど感情表現がダイレクトになる。「Trial of Tears」は非常に簡単なメロディがサビになっているのだ。しかも不思議と哀愁を感じさせてしまう。この感覚は他の彼らのアルバムではこれほどまでに感じられないのだ。

 

 2つ目はキーボーディスト、デレク・シェレニアンの唯一参加したフルアルバムと言うところだ。彼のキーボードセンスはかなり凡庸だが、並外れた「理解しやすさ」も伴っていると思う。美味しいところをちゃんと持って行っているがすべてを持って行かないといえばいいだろうか?。他の天才的なバンドメンバーを引き立たせるような感じでありながらキーボーディストとしてのアイデンティティは程々に表現しているというか、なんとも説明が難しい。

 しかし、「Lines in the Sand」が傑作になり得たのは彼の才能無くしては無理だっただろう。印象的なイントロのソロは他のドリームシアターに属した、または属しているキーボーディストには表現できないソロだ。これもまたなんとも説明が難しい。

 不思議な魅力を持ったキーボーディストではあるが、これ以降は鬼才中の鬼才ジョーダン・ルーデスが加入してしまうので余計に影が薄くなってしまった。しかし彼の魅力に惹きつけられたなら、このアルバムへの評価が大きく好転するだろうと思う。

 


Dream Theater - New Millennium - Live at Budokan

 

 自分が単純に好きな曲について紹介させてほしい。一曲目「New Millenium」だ。

 ミニマルの明るいメロディから急転して7弦のヘビィなリフへ。メロ、サビのポピュラーなボーカルパート。また、ギターはロック、メタルなのだが、ベースはジャズ、メタルなのだ。

 また全体を通して聞くと明るい印象ではあるが、間奏のインストパート終盤に見せるリフはこのアルバムの中では一番ヘビィだ。動画の大体7:00くらいからのところだ。しかしすぐ明るいミニマルへ急転するのだ。

 いまや一大メタルジャンルとして確率したプログレッシブメタルであるが、これほどまでに急転を繰り返す曲はなかなかない。そしてこれほどまでに要素を詰め込みながらも高い完成度を誇っているのも珍しい。

 その他、この曲の調はC#mだが、他にC#mの曲は「Enigma Maschine」がある。そちらも明るい曲調だったりするが、彼らにはC#mは明るめの調という意識があるかもしれない。そして自分はC#mが好きだ。些細ながらここも自分が好きなポイントだったりする。

 

 初めてのアルバムレビューになったが、このアルバムは最も好きで聴きこんでいるアルバムであり、これから加筆、訂正をくわえて行きたい。また、他のアルバムのレビューも投稿していきたいと思っている。ドリームシアターが大好きなのでおそらくドリームシアターのレビューが殆どになるだろうが、なるべく多くのアーティストのアルバムをレビューしたいと思っている。